帯状疱疹ワクチン

帯状疱疹ワクチン

令和6年7月から、帯状疱疹ワクチンの「費用助成」が始まります。
(富山市在住の50歳以上の方)
さらに65歳以上の方はお安く!令和7年4月から「定期接種」がはじまります。
(今年度65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳・95歳・100歳になる方に、
市からクーポンが郵送されます)

当ページの監修

大村尚美
  • 日本皮膚科学会 専門医
  • 富山大学医学部卒業
  • 富山市民病院などに勤務
  • 医療法人社団有仁会 理事

ポイント!

  • 帯状疱疹は、80歳までに約3人に1人が発症する、やっかいな強い痛み・発疹を生じる病気です。日本人の90%に潜伏感染しているウイルスです。
  • 帯状疱疹の新しいワクチンは、発症予防効果が90%以上(10年以上効果が持続)と高い予防効果ですが、これまで2回接種で約4万円と高額でした。
  • 2024年7月から、富山市では、50歳以上の富山市在住の方を対象に、1回あたり1万円(2回で合計2万円)の補助を開始します!!
  • 2025年4月から65歳以上の節目の年齢の方に、定期接種がはじまります。

当院のワクチン接種の特徴!

  • WEB予約から24時間いつでもカンタンに予約可能
  • 完全予約制 & 医師複数名体制なので、院内での待ち時間が少ないです
  • 発熱・疼痛などの副反応が心配な方は、解熱薬(カロナールなど)をお渡ししています
  • 接種費用をお安めに抑えています
  • 費用面や副反応の心配がある方には、事前採血(自費)で帯状疱疹ウイルスへの抗体値を測定してからワクチンを検討することも可能

帯状疱疹とは

帯状疱疹は、水ぼうそうと同じウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)で起こる皮膚の病気です。
体の左右どちらかの神経に沿って、帯状に、多数の痛みを伴う赤い発疹と水ぶくれを生じます。
日本人の90%に潜伏感染しているウイルスであり、80歳までに約3人に1人が発症すると言われ、だれでも発症しうる疾患です。
いったん発症すると強い痛みを生じ、治療が遅れると神経痛などの後遺症が長引くこともある、やっかいな病気です。

合併症として、発熱や頭痛がみられることがあり、顔面に生じてしまうと、角膜炎などの眼の症状、難聴顔面神経麻痺が生じることもあり、
入院を要する場合も少なくありません。

特に、50歳から増加し、高齢になると発症しやすくなります。
加齢による免疫機能の低下や過労・ストレスが原因と考えられています。

出典:日本皮膚科学会 ホームページ

帯状疱疹後神経痛

特にやっかいな合併症は“帯状疱疹後神経痛”といって、皮膚の症状が治った後に残存する神経痛で、数か月から数年にわたって痛みが持続する場合があります。
帯状疱疹にかかった人のうち、20%程度に後遺症の神経痛が生じ、特に高齢者や皮膚症状が重症なケースでは長期化・重篤化しやすいです。

50歳からの帯状疱疹のワクチン

(グラフ)日本人成人の90%以上は、子供の頃に水痘(水ぼうそう)などに罹患するため、水痘・帯状疱疹ウイルスへの抗体を持っています。
しかし、せっかくの抗体による免疫も、加齢により徐々に低下し、50歳以上では帯状疱疹を発症してしまうリスクが急増していきます。
そのため、50歳を過ぎてからワクチンを接種することで、免疫を再度強化し、帯状疱疹の発症を予防することが重要です。

出典:国立感染症研究所: 病原微生物検出情報(IASR).「年齢/年齢群別の水痘抗体保有状況、2019年」

ワクチンの種類

これまで、帯状疱疹のワクチンは、発症予防効果が50~60%程度の、効果が低めの、「生ワクチン」しかありませんでした。
一方、2020年に新発売された新しい不活化ワクチン「シングリックス」は、発症予防効果が90%以上(しかも10年程度効果が持続する)
非常に高い予防効果を得られるようになりました。
また、「シングリックス」は、帯状疱疹発症後のつらい後遺症である「神経痛」を予防・軽減できるという大きなメリットがあります。

しかしながら、新しいワクチン「シングリックス」は、1回2万円程度を2回(合計4万円)と患者様の負担額が大きく、
なかなか接種が拡がらないという問題点がありました。

  不活化ワクチン(シングリックス) 生ワクチン
種類 不活性化ワクチン 生ワクチン
効能・効果 帯状疱疹の予防(50歳以上) 水痘・50歳以上の帯状疱疹の予防
当院の接種費用 21450×2回(税込・2か月間隔) 8800(税込 1回で終了)
富山市在住の50歳以上の方の費用 11450×2回(税込・2か月間隔) 3000円(税込)
65歳以上で定期接種クーポンが届いた方 8000円×2回(税込・2か月間隔) 4000(税抜)
免疫持続期間 10年以上 5~8年で効果減弱
発症予防効果 97%(70歳以上では89%) 51%
神経痛の予防効果 85% 66%
接種不適当者 発熱など急性疾患の方
成分にアナフィラキシーの既往がある方
免疫抑制治療中
免疫異常疾患
妊婦
発熱など急性疾患中の方
副反応 10~40%
(局所の腫脹・疼痛・倦怠感・発熱など、多くは3日以内に軽快))
1~3%
(局所反応・発熱・水痘様発疹など)
特長 発症予防効果が非常に高い
神経痛(後遺症)を軽減できる
10年以上作用が持続する
免疫抑制治療中の方でも可能
1回で済む
費用が安い
副反応の頻度が低い

富山市の帯状疱疹の予防接種事業

富山市では、2024年7月から、50歳以上の富山市在住の方全員を対象に、
1回あたり1万円(2回で合計2万円)の補助を開始することになりました!!!

助成対象 富山市内在住の50歳以上の市民全員
助成開始時期 令和6年7月1日
助成金額 生ワクチン:1回あたり 4000円(1回接種なので、合計4000円)
不活化ワクチン:1回あたり 10000円(2回接種なので、合計20000円

富山市のサイト(外部リンク)

当院の帯状疱疹ワクチン接種の流れ

1事前

WEB予約もしくは電話(076-413-7933)で、ご希望の日時をご予約下さい。
生ワクチン・不活化ワクチンのどちら希望かも、お伝えください。

2当日

・窓口で、健康保険証などで、住所(富山市内在住者であること)を確認します。
・当院に用意してある「接種助成申請書」「ワクチン問診票」を記入いただきます。
・問診後、ご希望のワクチンを接種します。
・窓口で、接種料金から助成金額を差し引いた額を、お支払いいただきます。クレジットカードも使用可です。
*シングリックス(不活化ワクチン)の場合は、2か月後(2回目接種)の予約をお取りします。
*発熱などの副反応が心配な場合は、解熱薬(カロナールなど)をお渡しします。

帯状疱疹ワクチンの接種料金
(助成対象者:富山市内在住の方)

  接種費用(a) 助成金額(b) 当日窓口でのお支払い(a-b)
不活化ワクチン
(1回目)
19500円
(税込21450円)
10000円 11450円(税込み)
不活化ワクチン
(2回目)
19500円
(税込21450円)
10000円 11450円(税込み)
生ワクチン 8000円
(税込8800円)
4000円 4800円(税込み)

65歳以上の節目の年齢で、市から定期接種クーポンが届いた方。

  接種費用(当日窓口でのお支払い)
不活化ワクチン
(1回目)
8000円(税込)
不活化ワクチン
(2回目)
8000円(税込)
生ワクチン 3000円(税込)

よくある質問コーナー

接種が特に推奨されるのは、どういう人ですか? 高齢者?免疫抑制者など?

50歳以上のすべての方に推奨できます。
多忙な方、年齢や持病による免疫力低下に不安を感じている方には、特にお勧めします。
また、免疫抑制治療中などの理由でこれまでの生ワクチンを接種することができなかった方には、帯状疱疹の発症・重症化を防ぐために、不活化ワクチン(シングリックス)の積極的な接種が進められています。

帯状疱疹にかかったことがあるのですが、ワクチン接種したほうがよいですか?
また、帯状疱疹発症後は、どのくらいの期間をあけたらよいですか?

一度、帯状疱疹にかかった人の数%は、再度、帯状疱疹を発症するとされているので、積極的にワクチンを検討ください。
はじめに罹患してから何年後にワクチンを接種すればよいのかというきまりごとはありませんが、
発症後1~3年後くらい後から接種するのが良いだろう、と皮膚科領域では言われています。

子供の頃に水ぼうそう(水痘)にかかっていないのですが、ワクチンを接種したほうがよいですか?

水ぼうそう(水痘)は、罹患していてもはっきりとした症状が出ないこともあります。
日本人では、約90%が、知らず知らずのうちに水痘・帯状疱疹ウイルスに罹患し、体内に潜伏感染していると言われています。
そのため、「小児期に水ぼうそうにかかった記憶がない」という方でも、ウイルスが体内に潜んでいる可能性は高く、
高齢になって帯状疱疹を発症する可能性は十分あります。

生ワクチンと、新しいワクチン(シングリックス)のどちらが良いですか?使い分けを教えてください。

発症予防・神経痛予防効果ともに、明らかにシングリックス(新しいワクチン)の方が優れており、効果持続時間も長いです。
また、免疫抑制治療中の方は、生ワクチンは接種できず、シングリックスのみが接種可能です。
ただし、1回の接種で済ませたい方や、副反応への不安が強い方、費用を抑えたい方は、生ワクチンを考慮しても良いでしょう。
当院では、患者様の希望に合わせて、両方のワクチンを用意しています。

副反応にはどんなものがありますか?生じた時の対処法は? 1回目と2回目の違いはありますか?

新しい不活化ワクチンの方が、生ワクチンよりも副反応の頻度が高いです。
接種部位の痛み(70%)、腫れ(25%)、筋肉痛(40%)、頭痛(30%)、発熱(18%)、といった報告があります。
ただし、ほとんどの場合は3日以内に軽快します。また、2回目のほうが、1回目よりも副反応が軽くなりやすいことも知られています。
当院では、接種の際に副反応の不安が強い方に対して、予防的に解熱薬(カロナールなど)をお渡ししています。

生ワクチンの方が副反応の頻度は低いですが、ごくまれに(3%以下程度)に全身性の水痘様発疹がみられることがあるため、注意が必要です。

接種後、入浴や運動は可能ですか?

おおむね通常通りの生活が可能ですが、接種当日は、激しい運動・長時間の入浴・多量の飲酒は避けましょう。

ほかのワクチン(インフルエンザワクチン・コロナワクチンなど)との間隔は?

シングリックス(不活化ワクチン)は、他のワクチンとの間隔は関係なく接種可能です。
ただし、新型コロナワクチンは、2週間 間隔をあけることとなっています。
生ワクチンの場合は、他のワクチンとの間隔を、4週間あけましょう。

シングリックスは、2回の接種が必ず必要ですか?

基本的には2回の接種によって十分な効果が得られます。
ただし、スケジュール的に2回が難しい場合(海外転居など)、1回目の接種で強い副反応を生じた場合などは相談に応じます。

2回接種した後、数年後に効果が切れて、また接種が必要となりますか?

シングリックス接種後は、10年後くらいで効果は減弱しますが、予防効果が消失するわけではないため、すぐに追加接種をする必要はないと思われます。
ただし、10年後には新たな知見やデータが集まってくる可能性はあるため、その頃に再度ご相談ください。
一方、生ワクチンの場合は、数年後に再度、接種を検討してもよいかもしれません。

以前に帯状疱疹ワクチン(生ワクチンやシングリックス)を接種したことがあるのですが、今回の助成の対象になりますか?

生ワクチンの接種歴のある方は、対象となります。(詳細は、富山市ホームページをご確認ください。)
シングリックス(不活化ワクチン)は2020年発売なので、まだ10年経過しておらず、接種歴のある方は、さらに追加接種を急ぐ必要はありません。

帯状疱疹の抗体を測定してから、接種したいのですが、できますか?

費用面や副反応の懸念から、「自分の帯状疱疹への抗体値を測定してから、ワクチンを打つかを検討したい」と希望される方もおられます。
自費(約4000円)となりますが、事前に採血で水痘・帯状疱疹ワクチンへの抗体を測定することも可能です。
下記に抗体値の判定基準を示します。(出典:医療関係者のためのワクチンガイドライン第2版)

  検査方法 十分な免疫なし 免疫あり
水痘・帯状疱疹ウイルス抗体 EIA法・IgG 2.0未満(-) 2.0~3.9(±) 4.0以上(+)

当日必要な持ち物は?

免許証・保険証・マイナンバーカードなど住所が富山市であることがわかるものを、ご提示ください。

クレジットカードは使用できますか?

クレジットカードでのお支払いも可能です。

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